紙タバコをやめて電子タバコにしようと思う時に〜健康になった先にやりたいことを考える〜

1. 紙タバコよりも電子タバコの方がいい?

Mさん

健康診断の数値が悪くて、できることから始めたいと思っています。
タバコがなかなかやめられないから、電子タバコにしようかなぁ。

タバコを吸っている限りは、血液がキレイになることはありません。
禁煙してほしいのですが、タバコって習慣化していると、なかなかやめられないですよね。

タバコって何でできていて、何が良くないのか、もう一度考えてみませんか?

2. 紙タバコ・加熱式タバコ・電子タバコ

調べてみると、紙巻タバコ、加熱式タバコ、電子タバコなどがありました。
それぞれの特徴と違いをみていきましょう。JTたばこの基礎知識*1を参照しています。

紙巻タバコ

紙巻きタバコは、私たちが普段よく見かける最もメジャーなたばこです。

細かく刻んだたばこ葉を紙で細長く巻き上げた形態のもので、たばこ葉を燃焼させて喫煙します。燃焼温度は600℃ですが、吸い込む際には先端の部分は800℃以上にも達します。たばこ葉を燃焼させることこそが最大の危険因子なのです。

燃焼させることで、多くの有害および有害性成分を含む煙が発生し、人々がそれを吸い込んでいます。そして、このような多くの量の有害成分が喫煙関連疾患の主な原因となっています。

加熱式タバコ

たばこ葉を使用し、たばこ葉を燃焼させず、加熱により、発生する蒸気(たばこベイパー)を愉しむ製品です。

加熱式たばこは、たばこ葉の加熱方法も製品によって異なります。
加熱式でヒーターでたばこ葉を直接加熱するもの、たばこ葉を直接加熱せずに液体(リキッド)を加熱・霧化してたばこ葉を通過させるものがあります。いずれも、加熱用のバッテリーと専用のたばこが必要で、液体(リキッド)を加熱・霧化してたばこ葉を通過させるものには、蒸気を発生させる液体(リキッド)が加わります。

加熱式たばこは、たばこ葉を使用している点において電子たばこと大きく異なり、たばこ葉本来の味・香りを愉しめるという特徴があります。なお、バッテリーなどの器材は、たばこ用具として販売されています。

電子タバコ

たばこ葉を使用せず、装置内もしくは専用カートリッジ内の液体(リキッド)を電気加熱させ、発生する蒸気(ベイパー)を愉しむ製品です。リキッドには、ニコチンを含むものもありますが、日本国内では、ニコチンを含むものの販売は禁止されています。

電子たばこは、一般的に、加熱用電池であるバッテリーと、液体(リキッド)の容器であるカートリッジ、液体を熱して蒸気を発生させるアトマイザー、発生した蒸気の吸い口、などから構成されます。リキッド部分は、自分で液を補充するタイプや、液入りの容器ごと交換するタイプなどがあります。

電子たばこは、たばこ葉を使用しておらず、日本国内では「たばこ製品」として販売されているものはありません。

ニコチンを含むリキッドは「医薬品」、ニコチンを含むリキッドを吸引する器具は「医療機器」と、それぞれみなされています。
ただし、海外では電子たばこを「たばこ」として扱っている国もあります。

3. 健康への影響

紙巻タバコは発がん性物質が多すぎる

私もタバコは勧めていませんが、なぜ健康によくないのかを改めて説明していきます。

たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれており、そのうち約60種類に発がん性があるとされています。これらの有害物質は主に肺胞から吸収されますが、口腔や気道、胃、腸管からも吸収され、全身の臓器に影響を与えます。
たばこと最も関連が深いとされるがんは、肺がんをはじめ喉頭がん、咽頭がん、口腔がんなど、たばこの煙が直接触れる部位のがんです。しかし、たばこの有害物質は血液にのって全身に運ばれるため、胃がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなど、たばこの煙が直接触れない部位のがんのリスクも高まります。

全国健康保険協会*2

たばこは心筋梗塞や脳梗塞の重要な危険因子でもあり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)をも引き起こす可能性が高く、本人だけでなく家族や周囲の人をも巻き込む「受動喫煙」の害もあります。

タバコの煙の中には5300種類の化学物質が含まれており、その中の200種類以上は有害物質(毒物)と言われています。また、発癌物質は現在わかっているだけでも50種類以上含まれています。

有害物質(毒物)の例
  • ニコチン:ゴキブリ殺虫剤の成分
  • ヒ素:毒薬として使われてきた
  • カドミウム:イタイイタイ病の原因
  • ベンゼン:ガソリンの成分
  • ホルマリン:死体や生物標本の防腐剤として使われている
  • トルエン:シンナーの主成分
  • フェノール :消毒殺虫剤の成分
  • シアン化水素 :殺鼠剤として使われている
  • アンモニア:神経毒性があり、吸い込むと有害
発ガン物質
  • タール:喉や肺に留まり続け、発がん性がある。
  • ベンゾピレン:発がん性、変異原性及び生殖毒性がある。
  • カドミウム:人体にとって有害な重金属で、長期間の暴露により腎臓、肺、肝臓 に障害を生じることで知られている。 特にカルシウム代謝を阻害し、栄養上の欠落等 の要因と複合して骨粗鬆症、骨軟化症を発症させる可能性が指摘されている。
  • ニッケル:皮膚感作性、呼吸器感作性、生殖 細胞変異原性、発がん性、生殖毒性がある。
  • ポロニウム210:肺から吸収されたポロニウム210は気管支上皮細胞に沈着しα線を放出し、細胞内DNAを傷害し発癌を促す。
  • ジメチルニトロサミン:発がん性、急性毒性がある。
  • ベンゼン:造血器障害、白血病を引き起こす可能性がある。

加熱式タバコは一酸化炭素は含まれないが、ニコチンは含まれる

加熱タバコは、使用者への健康影響は基本的にはタバコと同じです。

葉タバコを燃焼しないので、一酸化炭素は含まれませんが、発生する蒸気にはタバコの有害物質が含まれています。その一部は喫煙した人の吐いた息には出ますので、副流煙がほとんど生じないと言っても、空気中には残っていて、受動喫煙の危険性はあります。

加熱式タバコによって身体に取り込むニコチンの量は紙巻タバコと同等かそれ以上、タールは70%程度であり、健康への悪影響やリスクの低減は期待できません(下の図も含めて引用)*3。

電子タバコ(日本製)はタールやニコチンは含まれないが、有害物質は含まれている

電子タバコで使用する液体(リキッド)の成分は、プロピレングリコール、植物性グリセリン、香料です。それぞれの特徴を引用します。

  • プロピレングリコール(PG)

略してPGとも呼ばれるプロピレングリコールは、医薬品や化粧品のベースとしても使われている成分で、人体に悪影響を及ぼすものではないとされています。また、従来の紙巻きタバコには含まれていない成分です。

  • 植物性グリセリン(VG)

VGは植物性グリセリンの略称であり、主にヤシの実から採取されている成分です。医薬品や化粧品、食品添加物にも使用されており、グリセリンはもともと人体にも含まれている成分なので、危険性を心配する必要はありません。

  • 香料

水蒸気の味わいや香りのもとになる香料は、リキッドの成分比率のうち、約5%を占めています。香料に含まれている成分は製造しているメーカーによって異なりますが、基本的には飲料や食品に含まれているような人体に害を与えない成分が使用されています。なお、それぞれのメーカーはリキッドにどのような香料を使っているのかということを公表していません。

  • 猫や動物には危険な成分が入っている

 リキッドに使用されているプロピレングリコールですが、この成分は猫の体内で代謝することができず溜まってしまう性質を持っています。
 以前までは人間の食品添加物と同様にキャットフードに使用されていたのですが、猫が代謝する事ができないと分かってからペットフード安全法により猫向け製品への使用が禁止されるようになりました。

購入前に知っておきたい!電子タバコ・VAPE(ベイプ)リキッドの基本知識とおすすめフレーバー25選より一部引用*4

また、厚生労働省の厚生科学審議会(たばこの健康影響評価専門委員会)の資料*5によりますと、

  • プロピレングリコール、グリセロールは食品添加物としても幅広く使用されているもの
    であるが、加熱して霧化する過程で、プロピレングリコールからメチルグリオキサール、
    ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドが、グリセロールからアクロレイン、ホルムアルデ
    ヒドなどのカルボニル化合物が生成されることが明らかになっている。
  • ホルムアルデヒドやアクロレイン、グリオキサールについて、健康への悪影響が懸念される。
  • 現在の電子たばこは、原型が 2004 年に中国で特許取得され、その後製造販売が拡大してきた新しい製品であるため、長期利用による健康影響は不明である。
  • 電子たばこに関する様々な意見が交錯する中、禁煙を目的とした電子たばこの使用に
    関する有効性は証明されていない。

ということが述べられていました。

食品添加物にも使われている成分なので、人体への影響は少ないと述べられていますが、加熱することで、有害物質が発生することも明らかになっています。どちらにしても、身体にとっては異物になりますし、有害物質であるならなおさら肝臓での解毒が必要になりますので、肝臓への負担にはなるということを頭に入れて欲しいです。

4. まとめ

紙タバコ、加熱式タバコ、電子タバコ、それぞれの特徴と健康への影響を考えてみました。

加熱式タバコや電子タバコは、最近になって普及してきているため、長期的に使用することでの健康への影響はまだわからない部分も多いですが、明らかになっている部分だけをみても、有害物質を身体に入れていることになります。

また、ご本人だけでなく、大事なご家族やペットの健康にも影響を及ぼしかねないと考えると、できるだけ禁煙できることが望ましいと思います。

血液をキレイにすることで、今悩まれている症状が改善すると知ったら、ちょっとやめてみようかなって思えませんか?

健康になることを目標とすると、タバコをやめるのって苦しいかもしれませんが、大事なのは、健康になった先に何をしたいのかを考えることだと思っています。

これからの人生でやりたいこと、やり残したことをやるために、身体が元気に動くことって基本になってくると思うんです。そのために何ができるのかを一緒に考えていきませんか?

参考資料

*1)JTたばこの基礎知識
*2)全国健康保険協会
*3)本当は怖い「新型タバコ」 電子タバコと加熱式タバコの影響とは?
*4)購入前に知っておきたい!電子タバコ・VAPE(ベイプ)リキッドの基本知識とおすすめフレーバー25選
*5)厚生労働省 第5回たばこの健康影響評価専門委員会の議論の整理

ちょっと一息つくためのタバコが、実はこんなに身体には悪影響だったなんて、喫煙している人にはなかなかショッキングな内容かもしれないですよね。しかもニコチンは依存性があって、習慣化したものをやめるのには苦労します。もし今、なんらかの症状で悩んでいたり、なんとかしたいと思っていたら、まず血液を汚すものを入れないという意識が大事になってきます。何が血液を汚すのか、どうやったら血液がキレイになるかを、無料メルマガ講座でもお伝えしていますので、気になる方はぜひご登録をお願いします。

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