先日のオンライン講座でご質問いただきました!
ありがとうございます!
調べてみました!
ヒ素ってどんなもの?
ヒ素(As)は自然界に広く存在する元素で、土壌や水、食物などに含まれています。ヒ素には 「有機ヒ素」 と 「無機ヒ素」 の2種類があり、健康リスクの大きさが異なります。
- 有機ヒ素:主に魚介類に含まれ、体内で分解されやすく、比較的無害とされる。
- 無機ヒ素:土壌や地下水に含まれ、長期的な摂取で健康リスク(発がん性など)があるとされる。
日本人が食品を通じて摂取するヒ素に関して、「海産物中には多くのヒ素化合物が含まれている」、さらに、「農産物の中ではコメからの摂取が比較的多い傾向にある」と評価しています。しかし、「日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」、ただし、「一部の集団で多く無機ヒ素を摂取している可能性があることから、特定の食品に偏らずバランスのよい食生活を心がけることが重要」としています。
農林水産省:食品中のヒ素に関する情報
確かに、コメからのヒ素の摂取が多いようですね。でも日本では、明らかな健康影響は認められていないということなんですね。
玄米にどのくらい含まれているの?
農林水産省が平成29年から令和元年(2017~2019年)にかけて行った調査によると、玄米中の無機ヒ素濃度は以下の通りです:
- 中央値:0.15 mg/kg
- 平均値:0.16 mg/kg
- 最大値:0.60 mg/kg
一方、精米(白米)では無機ヒ素濃度の中央値が0.09 mg/kgと、玄米よりも低い値が報告されています。
農林水産省:国産米の無機ヒ素の含有実態調査(平成29年~令和元年
産)の結果について
確かに、玄米に含まれる無機ヒ素は、白米よりも多いですね。
食べても問題はないと言われるものの、できればとりたくないですよね〜。
無機ヒ素を減らせる調理方法
ヒ素は水で溶ける性質がありますので、この無機ヒ素が減らせる調理方法を調べている研究がありました!
原文は英語なので、日本語で解説してくれているサイトをご紹介します。
ケムステニュース:米のヒ素を除きつつ最大限に栄養を維持する炊き方が解明
原著論文はこちら
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0048969720368728
この研究の中で、玄米に含まれる無機ヒ素を一番減らせた方法が、PBA法(Parboiling with Absorption Method):沸騰したお湯に米を5分間入れた後、新しい水に浸して炊飯という方法だそうです。

この図の説明を下にしますね。
PBA法の手順
- 新しい水を加えて沸騰させる
- 生米1カップに対して水4カップを加え、沸騰させる。
- 米を加えてさらに5分間煮る
- ヒ素を含む水を捨てる
- 新しい水を加える
- 例:生米1カップに対して水2カップを加える。
- 弱火~中火で炊く
- 蓋をして水が吸収されるまで加熱する。
PBA法のメリット
- 無機ヒ素の除去に効果的
玄米から54%、白米から73%のヒ素を除去します。 - 乳幼児向けの安全な調理法
米に含まれる無機ヒ素を効果的に減らすことができるので、特に赤ちゃんや子ども向けのご飯を作る際に有用です。 - 栄養素の損失を減らし、環境に優しい
時間・水・エネルギーの節約になります。
まとめ
玄米に含まれているヒ素は、食べ続けても問題ないレベルだと農林水産省は報告しています。私もあまり気にせずに食べています。
玄米に含まれる無機ヒ素が気になる方は、こんな方法もあるんだと知っておかれると安心かなと思います。
玄米にはメリットがたくさんあります。よく噛むことで、消化しやすくなりますので、ぜひ普段の食事に玄米を取り入れてみてください。美味しい玄米はそれだけでご馳走になりますよ〜。どうして玄米がいいのか、どうやって食べたらいいのか、気になる方は、無料メルマガ講座にご登録ください。看護師だった私が、子どもの喘息の薬をやめた経験の中で玄米の取り入れ方もお伝えしています。
玄米に発がん性のあるヒ素が含まれてるって聞いたことがあって、子どもには玄米じゃない方がいいのかなって思っていたんですけど、マエマコさんはどう思いますか?