きらくる村の皆さんと、樽前山に登ってきました。
4月上旬に「きらくる村のみんなで樽前山に登ろう」という提案があって、子供たちに話したら、長男が「やってみたい。山に登ってみたい。」と言いました。
不登校で引きこもっている生活が長くなって、毎日「暇だー」と話していた長男。
「暇つぶしにゲームをしている」と聞いた時は、もうどうしたらいいのかわからなくなりました。このまま学校に行かずにずっと家にいるのかな、どうやって自立させたらいいんだろうと長男の将来を勝手に悲観していたような気がします。
きらくる村の村民になって2年目。
畑の活動や、村人さんたちと交流しているうちに、私は長男もきっと大丈夫、と思えるようになっていきました。
プレハブ小屋でも住めるんだ、水道がなくてもトイレは大丈夫なんだ、畑で育てた野菜のおいしさや、安心して関われる村人さんもいるんだ、そして仕事を自分で作れることなどなど、私自身が生きていくスキルを身につけることが少しずつできるようになって、不安が少しずつ減ってきたような気がします。
長男に対しても、やりたいことができるといいな、他の人と関われるようになるといいな、という意識で接することができるようになっていきました。
そんな時に、長男が登山をしたいと言ってくれたことだけでも、やりたいことが見つかったんだ!と嬉しくて、これは応援したいと思いました。
でも長年の引きこもり。本当に筋力も体力もなくて、このままでは登頂はできないかも、と思いました。登頂できなくても、自然の中に身を置けるだけでもいい。途中でリタイアしてもいいと思って、とりあえず参加を決めました。
登山をする、という目標ができて、長男は体力をつけたいと、スクワットをするようになりました。そして週末ごとに近くにある公園の山に登るようになりました。そこは15分もあれば登れるような山なので、筋力をつけるにはちょうどいいサイズでした。犬の散歩がてら、登ってみたり、体力をつけるために遠回りをして歩いてみたりと、練習を重ねてきました。
そして5月下旬からは中学校にも通うようになり、毎日20分ほどかけて歩いて学校に行くようになりました。荷物が重そうで、車で送っていくことを提案すると「体力つけたいから、歩いていくよ」と断られました(笑)。
長男が登山を楽しみにして頑張っている姿が嬉しくて、それを応援できることが嬉しくて、準備するのも楽しくて、こんな充実した毎日を過ごせることに感謝でした。
そして迎えた当日。天気にも恵まれ、登山口で村人さんたちと合流し、早速登り始めました。途中、険しい場所もありましたが、休み休み、彼のペースで歩くことができました。途中の草花や景色がとっても美しくて、登れてよかった、現実になってよかったなとしみじみ思いました。
樽前山の山頂は息もできないくらいの強風で、風が少ないところで避難したいくらいでしたが、あと少しだから山頂まで行きたいと言う長男に付き合い、飛ばされそうになりながらも登っていきました。
ようやく登頂!
山頂に到着したことをゆっくり味わう余裕もなく、飛ばされないように必死でしたが、みんなで記念撮影もできて、すぐに下りました。
風がこないところで休憩し、おやつを食べて、体が冷えないうちに下山することになりました。
下り道は、膝が痛くなってきたと話していて、みんなから遅れながらも、一歩ずつ足を進めて、なんとか無事に下山できました。
待っていてくれた村人さんたちとハイタッチをしている長男の姿を見た時に、なんだか胸が熱くなりました。長男は疲れ切っていたけど、やり切った表情をしていました。
幸せな1日だったなぁ。
また一つ、素敵な思い出ができました。